二川幸夫 日本の民家 一九五五年展

二川幸夫 日本の民家 一九五五年展_1
会期 2023年9月30日(土)~ 2023年12月24日(日)
会場 GAギャラリー
住所 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-12-14[地図
アクセス 北参道駅 徒歩2分
公式サイト GAギャラリー

展覧会の内容

建築写真家・建築批評家の二川幸夫没後10年の節目となる展覧会『二川幸夫 日本の民家 一九五五年展』へ行ってきました。

自らの足で現地へ赴き、その眼で建築を捉えるスタイルを貫いた二川幸夫。

二川幸夫が撮影した、日本の民家の写真約70点を展示します。

大阪府大阪市出身の二川幸夫は、1951年に大阪市立都島工業高等学校建築科を卒業しました。

早稲田大学文学部の在学中に、建築史教授の田辺泰の勧めで民家の撮影を開始しました。

1957年~1959年に「日本の民家」全10巻を発表し、1959年に毎日出版文化賞を受賞しました。

1970年に建築専門の出版社「A.D.A.EDITA Tokyo」を創設し、建築デザイン専門誌「GA JAPAN」などを発行しました。

安藤忠雄、妹島和世、ザハ・ハディドなどの才能をいち早く見い出し、建築写真を通して世に紹介してきました。

 

本展では、ささやかな照明が灯された程良い緊張感の漂う空間に、モノクロの大判写真が展示されています。

徹底された水平・垂直ラインと、堂々とした建築の姿に、本質を見抜く洞察力を感じます。

 

そして、日本の民家の写真を通して、日本の風景と人々の暮らしが大きく変わってしまったことが分かります。

昔の人は、山の中/田園/川沿いに家を建て、自然の中で暮らしていました。

現代人は、切り開いた山や埋め立てた海の上に家を建て、建物の間に緑を植え直しています。

いつの間にか、自然と人間の主従関係が逆転してしまっていました。

日本の民家に存在した懐かしのアイテム

合掌造り、瓦屋根、茶の間、応接間、囲炉裏、釜戸、神棚、屋根裏、大黒柱、すのこ、竹、藁、石畳、石垣、井戸、戸前、乾蔵、船小屋、馬屋

いつしか消えてなくなってしまった、古き良き民家や集落の姿が写真を通して蘇る。

建築写真を通して、地球の歴史を後世に伝える使命を感じる展覧会でした。

展示風景

関連書籍

【GA gallery Bookshop】二川幸夫 日本の民家 一九五五年

【GA gallery Bookshop】二川幸夫の眼

世界建築巡りについて

世界建築巡りは、IA(情報アーキテクト)の山田育栄が訪れた世界の建築やプロジェクトなどの情報を紹介するサイトです。

建築学生や建築関係者はもちろん、国内外へ旅行する方などにも見ていただきたいと思っています。

一人でも多くの人に世界へ足を運んでほしい。

建築に触れると同時に、人との出会いや自己の発見といったかけがえのない機会に遭遇するでしょう。

インターネットの発達により世界中の情報を知ることはできますが、実体験に勝るものはありません。

このサイトが、訪れる国をより楽しむためのガイドブックになれば幸いです。

世界建築巡りの世界観に賛同いただけるスポンサー様も募集しています☆

詳細はこちら

山田育栄
上部へスクロール