How is Life? ――地球と生きるためのデザイン

How is Life? ――地球と生きるためのデザイン_1
会期 2022年10月21日(金)~ 2023年3月19日(日)
会場 TOTOギャラリー・間
住所 東京都港区南青山1-24-3[地図
アクセス 乃木坂駅 徒歩1分
公式サイト TOTOギャラリー・間

展覧会の内容

運営委員の塚本由晴、千葉学、セン・クアン、田根剛がキュレーターを務める展覧会『How is Life? ――地球と生きるためのデザイン』へ行ってきました。

気候変動、社会格差、感染症拡大による世界情勢の変化など、様々な課題に直面している私たち。

「How is Life?」に答えている古今東西の多彩な事例をリサーチから見い出し紹介します。

 

産業革命以降、成長を是としてきた人類の活動は、地球上で様々な問題をもたらし続けています。

対応策としてSDGs(持続可能な開発目標)が推奨されていますが、事態はより深刻で、「持続的成長」ではなく「成長なき繁栄」を検討しなければいけない段階まで来ています。

そのためには、産業分野だけでなく人間の暮らし自体を見直し、地球に負荷をかけない方向に転換する必要があります。

「How is Life?」を読み解くためのキーワード

都市農、修繕、生態系、サルベージ、都市のランドスケープ、家庭、家族、公共性、診断、フィールドラーニング、普請、後背地、マテリアルフロー、土地、環世界、行動主義、循環、資源、連関、当事者、生命、衛生、私設公共、道具、資源的人、食、所有、障壁、モビリティ、サーキュラーエコノミー

地球上に生きる全ての生き物が幸せに暮らせるようになるための鍵は、私たち一人一人の意識と行動が握っている。

知識と技術・知恵と工夫を凝らした建築を通して、環境・社会・経済に関する様々な問題を解決していく。

人間の営みを好循環サイクルへと移行するために、個人単位で何ができるのかを考えさせられる展覧会でした。

展示風景

各展示の側に、プロジェクトの概要とキュレーターのコメントが記載された解説書を設置。

気になったプロジェクトの解説書を集めて、自分が好きな色の表紙で製本するシステムです。

Capital Agricole

場所 フランス、パリ

2018年にパリで開催された、農園が農家と都市住民を結び付ける未来都市を描く展覧会。

フランス出身のアーティストのヤン・ケビ(Yann Kebbi)による、秀逸な発想とドローイング。

これまで外部化されてきた農業を都市に取り込むことで、新しいパリの街並みを作るプロジェクトです。

La Ferme du Rail

場所 フランス、パリ

地元の生態系を活用した都市・農業モデルを提示する、地域連帯プログラム。

近隣のレストランから回収した生ゴミで腐葉土を作り、育てた野菜をレストランで調理して提供する。

就労支援・住居の提供・ゴミ問題の解消など、様々な社会問題を解決する建築です。

ReBuilding Center JAPAN

場所 日本、長野県

倉庫・作業場・カフェが併設された、古材と古道具を販売するリサイクルショップ。

地域で解体される民家から回収した建築建材を加工し、新しい製品へと生まれ変わらせる。

生産・消費・廃棄の直線的経済から、できる限り再利用する循環経済へと移行する建築です。

茅葺普請

場所 日本、千葉県

集落で育てた芽を用いた茅葺屋根を通して、日本における茅葺の意義と未来を問うプロジェクト。

人間が定住生活を始めた頃から使用されてきた茅葺屋根の、希少な技術を継承し現代に蘇らせる。

葺替え作業を通して人々が交流し、資源の循環と環境負荷の低減を実現する建築です。

Community Toilets for SPARC

場所 インド、ムンバイ

急速に発展するインドの都市で、平等で公平な衛生を実現するコミュニティトイレ。

公共性を促す建物の中にトイレを設置し、性別・安全性・コミュニティの問題を解決する。

文化と社会に根差した習慣を理解し、多くの人に健康・平等・尊厳をもたらす建築です。

Floating Farm

場所 オランダ、ロッテルダム

ロッテルダムのメールウェ港に浮かぶ、移動式の水上農業施設。

土地を必要としない農園で、畜産と野菜栽培を問題なく営む。

気候変動による海面上昇の被害を回避し、食糧生産と安全確保を解決する建築です。

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世界建築巡りについて

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