末光弘和+末光陽子 / SUEP.展 Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち
会期 | 2022年6月8日(水)~ 2022年9月11日(月) |
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会場 | TOTOギャラリー・間 |
住所 | 東京都港区南青山1-24-3[地図] |
アクセス | 乃木坂駅 徒歩1分 |
公式サイト | TOTOギャラリー・間 |
展覧会の内容
建築家の末光弘和と末光陽子が主宰するSUEP.の展覧会『末光弘和+末光陽子 / SUEP.展 Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち』へ行ってきました。
人間と自然が豊かに共生し続けるための思考と試行の全貌を図面・模型・映像と共に紹介します。
東京と福岡を拠点に国内外で活躍する建築家ユニットのSUEP.。
地球環境をテーマに、自然エネルギーのシミュレーション技術を用いて、自然と建築が共存する環境建築をデザインしています。
代表的な環境問題として上げられるのが地球温暖化。
管理人が住む東京の夏は、35度を超える日も多く、体感温度は45度前後の日も少なくありません。
熱中症をはじめとした健康被害で体調を崩す人も多く、従来の建築様式による暮らしは限界に来ています。
自然の恵みを維持し続けるために、自然と人とのバランスの中で関係を築く。
人間が作り上げた地球の現状を受け入れ、今後の建築の在り方を問う展覧会でした。
Harvest in Architecture
「Harvest in Architecture」とは、自然の恵みを持続的に受け入れ、地球と共に生きるための建築の姿を取り戻そうとする概念である。
”Harvest”とは、カラフル(多様)であり、ハピネス(喜び)であり、エネルギー(活力)である。
【01】Market of Ideas
SEED(自然を受け入れるかたち)、SUEP.にとって苗床のような位置付けのLAB活動。
リサーチを通してアイデアの種を発見し育てることで、実際の建築デザインに展開していきます。
太陽の恵みを収穫する立面のかたち
都市部は建物が密集しており、太陽の恵みを得にくい。
集合住宅の窓の幅と角度をパラメータに、約3,000種類のかたちを自動生成し、季節毎に比較します。
プレーリードッグの巣から学ぶ:風の恵みを収穫する断面のかたち
動物は、快適な環境を作り出す名人である。
プレーリードッグの巣は、掘った穴の出口を盛り上げることで負圧を作り、自然のドラフトを生み出しています。
緑陰の恵みを収穫する樹木配列のかたち
空気は比熱が小さいため、熱しやすく冷めやすい。
風の通り道に街路樹を配置することは有効だが、適切な密度や長さで配置しなければ、冷えてもすぐに戻るため効果が少ない。
【02】Section of the Earth
ANDFORM(地球上の循環)、地球上の循環は地形によって生まれている。
LAB活動で発見したSEED(自然を受け入れるかたち)が、LANDFORM(地球上の循環)と接続して生まれた建築を紹介します。
地中の棲処
場所 | 日本、福岡県 |
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穴を掘って棲む、大地と一体化して作る住宅。
川上の高床居
場所 | 日本、山梨県 |
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床から風を取り込むツリーハウスのような住宅。
清里のグラスハウス
場所 | 日本、山梨県 |
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太陽のエネルギーと川の涼風を取り込む住宅。
【03】Shading Dome
展示会場における実験として作られたパビリオン。
TOTOの衛生陶器廃材をアップサイクルした葉っぱ状のパネルを繋ぎ、日陰と風の恵みを受け入れた快適な環境を作り出します。
【04】Architecture towards Asia
このまま地球温暖化が進むと、50年後には日本の約80%が温暖地になると言われている。
高温多湿なアジアで今後必要とされる、自然に対して開かれた建築の在り方について考えます。
百佑オフィス
場所 | 台湾、高雄市 |
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樹齢100年のマンゴーの木と共存するオフィス。
ミドリノオカテラス
場所 | 日本、東京都 |
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緑を育て多様な生物と共生するコーポラティブハウス。
淡路島の住宅
場所 | 日本、兵庫県 |
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淡路瓦で覆われた半屋外環境が作る海に開かれた住宅。