ミロ展―日本を夢みて

ミロ展―日本を夢みて_1
会期 2022年2月11日(金)~ 2022年4月17日(日)
会場 Bunkamura ザ・ミュージアム
住所 東京都渋谷区道玄坂2-24-1[地図
アクセス 渋谷駅 徒歩5分
公式サイト Bunkamura ザ・ミュージアム

展覧会の内容

スペイン出身の画家のジュアン・ミロ(Joan Miro)の展覧会『ミロ展―日本を夢みて』へ行ってきました。

約130点の作品と資料を通してミロと日本の深い繋がりを紐解きます。

 

1893年にスペインのカタルーニャ州の州都バルセロナで生まれたミロ。

生家の近所には日本美術の輸入販売店があり、子供時代から日本文化に関心がありました。

1912年にバルセロナの美術学校に入学し、カタルーニャ州の村モンロッチと行き来しながら画家としての人生を歩み始めます。

1920年にパリへ渡り、作家のアンドレ・ブルトン(André Breton)が率いる文学・芸術運動「シュルレアリスム」に参加。

画材ではない素材を作品に用いたり、絵画と文字の融合を追求するなど、独自の表現を模索しました。

大戦中は戦禍を避けて各地を転々とした後、1940年にマヨルカ島に逃れ、日本の墨と和紙を用いて描線の太さや濃淡の実験を行うようになります。

1956年にマヨルカ島にアトリエを構え、絵画・版画・壁画・彫刻・陶芸・詩など幅広い制作活動に没頭しました。

一方で、日本に滞在した友人たちが持ち帰った美術品や、日本人のコレクターや批評家との交流を通して、日本への旅を夢見るようになります。

1962年に国立西洋美術館等でミロの版画展が開催され、1966年に国立近代美術館でミロの回顧展が開催されました。

1966年に初来日したミロは、「長い間、日本を夢見ていた。」と積年の想いを口にし、日本に2週間滞在しました。

来日以降の作品には、書道の滲みや跳ねの動きを感じる黒く太い線が多用されるようになりました。

 

ピカソ、ダリ、ガウディなど、世界的な芸術家を数多く生み出してきたスペイン。

恵まれた環境で好きなことを追求し、憧れの異国で新たな知識と技術を吸収し、芸術家として進化し続けたミロ。

芸術作品が人に与える感動は国境を超えることを再認識する展覧会でした。

気になった作品

1917年:アンリク・クリストフル・リカルの肖像

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1912年に入学したバルセロナの美術学校で出会った親友リカルの肖像画。

リカルは日本美術への関心が高く木版画を手掛け浮世絵をコレクションしていました。

ミロは画家兼版画家の証としてリカルの背景にパレットを描き浮世絵を貼り付けました。

1931年:焼けた森の中の人物たちによる構成

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不穏なタイトルと色使いで描かれたとぼけた表情で佇む人物たちの絵画。

グレーの背景には荒々しい引っ掻き傷を残したり、人物は部位毎に筆跡を残したり塗りつぶしたり。

一見シンプルな1枚の絵の中で複数の質感を表現しています。

1934年:絵画(カタツムリ、女、花、星)

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フランス出身の実業家のマリー・キュットリに依頼されたタペストリーの下絵。

フランス語で「カタツムリ」「女」「花」「星」の4語が連なって描かれている。

女性たちの体と文字が交差する面を境に配色を変えています。

1945年:ゴシック聖堂でオルガン演奏を聴いている踊り子

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戦禍を避けてマヨルカ島で制作を続けていたミロが通った近所の大聖堂の絵画。

ステンドグラスの窓から降り注ぐ光の中で教会音楽を聴きながら空想にふけるひと時。

黒く太い線で描かれたオルガンと星を、細い線で描かれたオルガン奏者や踊り子たちが取り囲みます。

1966年:絵画

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初めての日本滞在から帰国後1か月以内に描かれた絵画。

キャンバスいっぱいに広がる黒い生物の体から激しく滴り落ちる絵の具。

日本で目の当たりにした書家の筆捌きから得た刺激が率直に反映されています。

展覧会グッズ

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ポストカード、マグカップ、靴下、タオル、ミニ絵画、バッグ、キーホルダーなど豊富です。

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ピン!と来たポストカードを4枚購入しました。

管理人コラム

子供の頃から絵を描くことが好きだった管理人。

高校時代は美術部に所属し、敬愛するダリの影響で空想画の油絵を描いていました。

美術部の文化祭で、ミロ風の絵を描くワークショップを主催したことは良き想い出です。

2014年12月29日に初めてスペインを訪れた管理人は、「長い間、スペインを夢見ていた。」と積年の想いを口にし、バルセロナとバレンシアに6泊9日滞在しました。

2014年の大晦日に念願の ミロ美術館 を訪問。

原色を基調とした色使いで人や鳥をデフォルメした有機的な作品たちに、沢山の刺激とパワーをもらいました。

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