中川エリカ展 JOY in Architecture
会期 | 2021年1月21日(木)~ 3月21日(日) |
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会場 | TOTOギャラリー・間 |
住所 | 東京都港区南青山1-24-3[地図] |
アクセス | 乃木坂駅 徒歩1分 |
公式サイト | TOTOギャラリー・間 |
展覧会の内容
飽くなき探求心で新しい建築の表現を追求する建築家の中川エリカの展覧会『中川エリカ展 JOY in Architecture』へ行ってきました。
設計現場で活用された様々なスケールの模型を通して建築の喜び(JOY)を体感します。
1983年に東京都で生まれた中川エリカ氏。
2005年に横浜国立大学を卒業し、2007年に東京藝術大学大学院を修了。
卒業後はオンデザインパートナーズに約8年勤務。
2012年に建築家の登竜門と呼ばれるJIA新人賞を受賞し、2014年に 中川エリカ建築設計事務所 を設立。
住宅やオフィスの設計を行いながら、東京藝術大学や横浜国立大学の非常勤講師としても活躍しています。
建築の形以上に、人々の利用シーンや身体にもたらす感覚を重視する中川氏。
大量の模型製作や海外視察を通して、言語化できない要素のスタディを重ねていく。
がむしゃらにエネルギーを注ぐ楽しさと、その先の新しい景色を見る喜びに共感する展覧会でした。
【ギャラリー1】設計の現場
2014年以降、設計の現場で活用されてきた模型・ドローイング群を紹介します。
桃山ハウス
場所 | 日本、静岡県 |
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大きな山を切り開いたヘアピンカーブの道に隣接する週末住宅。
元から存在する庭木と岩の間に屋根をかけることで空間を作りました。
実施設計から竣工まで、覗き込んで行うスタディに活用した1/20模型。
型枠の割付のスタディに活用した、RC造の柱と鉄骨造の屋根を繋ぐピン接合の1/1模型。
街の既存の材料と、建築の新規の材料を並べたパネル。
高柳邸
場所 | 日本、長野県 |
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冬の寒さで地盤が凍る軽井沢の森の中に計画中の高床式住宅。
頭の中のイメージをダンボールの模型に起こしブラッシュアップしていきました。
実施設計終盤に制作し、基礎と地面の断面関係を微調整するスタディに活用した1/20模型。
実施設計時に制作し、ツヤの検討や素材選びに活用した1/20模型。
家の断面から各部屋を見ることで、人々の居場所の発見に活用したパース。
蘇州のヴィラ
場所 | 中国、江蘇省 |
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伝統的なテクスチャーと勾配屋根が印象的な蘇州に計画中の住宅。
緩やかな曲線を描く鉄骨鉄筋コンクリート造の大屋根が特徴です。
中国の伝統に倣った、石床の敷き方のスタディに活用した1/30模型。
複数のスケールの模型を制作し、人々の過ごし方のスタディに活用した1/50模型。
太いRC柱の上に、カテナリー曲線と直線の屋根を掛けるスタディに活用した構造ダイアグラム。
【中庭】冬の庭
風・光をコントロールする縄屋根と、スケール・材料を統一した模型群が作る居場所を紹介します。
桃山ハウス
高柳邸
蘇州のヴィラ
【ギャラリー2】都市スタディのオルタナティブ
野外什器に居場所を見い出すチリの人々のリサーチと、その後の設計への展開を紹介します。
サンティアゴ
住宅の門の前に設置されたゴミ箱、家に住みながら町にも住んでいるという姿勢を物象化している。
バルパライソ
水勾配を造形化した水飲み場と日差しを遮る壁付きのベンチ、「OPEN CITY」というプロジェクトの1つ。
タルカ
公園に設置されたベンチ、分厚い肘掛けを座面としても使用できる。
ビルチェス
チリ出身の建築家のスミルハン・ラディック(Smiljan Radic)の自邸「直角の詩に捧ぐ家」にある、バーベキュー用の屋外キッチン。
プコン
歩道に設置された木製のポールと花壇、防腐処理剤の塗り重ねが街の風景の色となっている。
サンティアゴ
新市街のレストランにある、岩をくり抜いた手洗いと天井から引かれた排水管。