
【期間】2020年6月9日(火)から2020年9月27日(日)
【場所】東京都江東区三好4-1-1[地図]
【交通】東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄大江戸線 清澄白河駅 徒歩14分
【詳細】東京都現代美術館HP
【期間】2020年6月9日(火)から2020年9月27日(日)
【場所】東京都江東区三好4-1-1[地図]
【交通】東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄大江戸線 清澄白河駅 徒歩14分
【詳細】東京都現代美術館HP
デンマーク出身・アイスランドの芸術家 オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)の展覧会「オラファー・エリアソン:ときに川は橋となる」へ行ってきました。
再生可能エネルギーへの関心と気候変動への働きかけを軸に制作された作品を紹介します。
1967年にデンマークのコペンハーゲンに生まれたエリアソン。
1989年にデンマーク王立美術院へ入学し、絵画・彫刻・写真、映像・芸術・建築を学びます。
在学中にニューヨークへ行き、ビジュアルアーティストのクリスチャン・エッカート(Christian Eckart)のスタジオでアシスタントとして勤務。
1995年にデンマーク王立美術院を卒業し、ベルリンに Studio Olafur Eliasson を開設。
アーティスト・美術史家・建築家・技術者と協業し、様々なプロジェクトの企画・開発・制作を行っています。
本展覧会では、水・光・風・熱などの自然素材を使用したインスタレーションを中心に展示。
ベルリンから日本までの道のりを、二酸化炭素の排出量が少ない鉄道と船で輸送された作品たち。
自然現象を共同制作の相手とみなすエリアソンの態度や、幻想的な鑑賞体験を通して、自分と自然・自分と環境問題・地球との関わり方を考えさせられます。
「東京まで旅をしてきた作品たちを一度に大量に見た時、川が橋になったり、虹を自分で創ったり、色のある影だったり。
私の拡張されたヴィジョンの概念を見て、この世界で私は私自身をどのように感じているのか、改めて捉え直す機会を得ることができました。」
「実際、日常の中の小さなことに奇跡は隠れています、私たちはそれを意識する必要があるのです。」
「例えば、私たちが何気なくわたる川に流れる水を、実際に作られた橋のように捉え直すことです。」
自分が見ている世界は、自分のフィルターに左右される。
何気ない風景や事象も、視点・粒度・解釈を変えることで全く異なるものに生まれ変わる。
エリアソンの豊かな感性と創造性に触れ、自分のフィルターを豊かにしていきたいと思う展覧会でした。
管理人が気になった10の作品を紹介します。
グリーンランドの氷河の氷で制作された3点の水彩画。
紙の上で溶けていく氷の水が顔料と混ざり合い、豊かな濃淡と滲みが全体に広がります。
輸送中の動きや揺れを記録する装置により描かれた12点のドローイング。
人の手では表現できない無数の線描には、移動する過程で作品に起こった出来事が記録されています。
ソーラーエネルギーによる光と動きが与えられたガラスの立体作品。
エリアソンの光や幾何学への関心、構造や法則への志向が垣間見れます。
気候変動の影響で海に溶け出るグリーンランドの氷河の氷。
この問題を自分事として捉える人が増えるよう、エリアソンは様々なプロジェクトで氷河の氷を使用しています。
ハロゲンランプの前を横切る人影が壁に投じられるインスタレーション。
自分が行動や変化を起こすことが、新たな発見やモノの見方に繋がることを教えてくれます。
特定の波長の光に照らされながらゆっくりと回転する3つの円形ガラス。
重なるガラスの組み合わせで、多彩な光と影が楽しめます。
12のLEDライトに照らされた水面の姿をスクリーンに投影した作品。
スクリーンに映し出されるさざ波の姿は、絶えず変化する流動的な世界を表現しています。
暗闇に降る霧状の水にスポットライトを当てることで虹が出現するインスタレーション。
光があるから虹が生まれる、自然現象を自らの手で再現したエリアソンの代表作です。
ワイヤーに吊るされた溶岩石を凹面鏡を通して鑑賞する作品。
アイスランドの原野を歩き回った記憶と、自然現象に関するエリアソンの感覚が内在しています。
建築家のセバスチャン・べーマン(Sebastian Behmann)と共同設計したデンマークにある建物。
様々な色と形のレンガで構成された建物内に、オリジナルのインテリアが設置されています。
【関連サイト】FJORDENHUS
「オラファー・エリアソン:ときに川は橋となる」
世界建築巡りは、インフォメーションアーキテクトの山田育栄が訪れた世界の建築やプロジェクトなどの情報を紹介するサイトです。
建築学生や建築関係者はもちろん、国内外へ旅行する方などにも見ていただきたいと思っています。
一人でも多くの人に世界へ足を運んでほしい。
建築に触れると同時に、人との出会いや自己の発見といったかけがえのない機会に遭遇するでしょう。
インターネットの発達により世界中の情報を知ることはできますが、実体験に勝るものはありません。
このサイトが、訪れる国をより楽しむためのガイドブックになれば幸いです。
イベント企画・取材・広告掲載などのお仕事を承っています。
世界建築巡りの世界観に賛同いただけるスポンサー様も募集しています☆
© 2014- 世界建築巡り Ikue Yamada