小嶋一浩の手がかり
展覧会の内容
2016年10月に急逝した建築家小嶋一浩の建築観を再考する『小嶋一浩の手がかり』へ行ってきました。
20以上のプロジェクトを通して小嶋氏が視ていた「その先」と「何かへの手がかり」を提示します。
ザックリとした中にもパワーを感じる処女作のダンボール模型。
薄口のトレーシングペーパーにペンで描かれた上品なスケッチと図面。
C+Aメンバーへの指示が記された可愛らしい筆跡が残るFAXのやり取り。
現場視察・住民への説明・子供たちとの交流・復興支援に精力的に取り組む様子を撮影したスライド。
それぞれの持ち場に集中する事務所内の様子と赤松さんとのインタビュー映像など。
試行錯誤し目の前のやるべきことを真摯に積み重ねてきた仕事の姿勢がうかがえます。
幼稚園・小学校・中学校・高校・大学・児童館・図書館など子供に関わる施設を多く手掛けた小嶋氏。
異なる空間同士や内部と外部を緩やかに繋ぐ開放的なデザイン。
そこで過ごす子供たち自身が自分の好きな場所を見つけられるよう設計されたものばかりです。
自身の背中を通して建築家としての使命を後世に伝えエールを送り続けてくれていると感じる展覧会でした。