もしも建物が話せたら

もしも建物が話せたら_1
期間 2016年2月から順次公開
監督 ヴィム・ヴェンダース|ミハエル・グラウガー|マイケル・マドセン|ロバート・レッドフォード|マルグレート・オリン|カリム・アイノズ
公式サイト もしも建物が話せたら

映画の内容

建物の声に耳を傾け感じ取るストーリーを描き出す『もしも建物が話せたら』を見に行ってきました。

世界の名監督6人がそれぞれの街で人々と思い出を共有する建築物の心の声を捉えます。

 

建物を取り巻くその都市の歴史や建築家が設計に込めた想い。

訪れる人々をベストな状態で迎え入れ建物の活躍を支えるスタッフの日常。

多くの人に驚きと感動を与える高揚感溢れる公演の様子など。

普段見ることができない貴重な映像を一度に見ることができます。

無口なものこそ雄弁だ。
建物たちは人が幸せになる路を知っている。

空間には性格がありその性格は人々の生活・仕事・勉強などに様々な影響を与える。

大きな出来事から小さな出来事まで建物は全てを知っている。

1人の人生や人類の歴史に対して建築が持つ影響力の大きさを再認識した映画でした。

ストーリー

ベルリン・フィルハーモニー

場所 ドイツ、ベルリン
設計 ベルンハルト・ハンス・ヘンリー・シャロウン
監督 ヴィム・ヴェンダース

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をはじめとした演奏会が行われるコンサートホール。

多くの客席からステージが良く見える五角形のヴィンヤード型ホールは客席間の音響差が少ない。

竣工して50年以上経った今もなおモダンで美しく現代的なものの象徴となる存在。

ベルリンの壁建設の歴史やベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏の様子を撮影。

「東ベルリンに刺激を与えるために建てられた。」

ロシア国立図書館

場所 ロシア、サンクトペテルブルク
設計 エゴール・ソコローフ
監督 ミハエル・グラウガー

1795年に皇帝エカチェリーナ2世によって建てられたロシア最古の公共図書館。

開館後から女性や農民に対しても分け隔てなく誰に対しても平等に開かれていた。

人間の英知で満たされている場所で図書館を中心に生活する職員たちが印象的。

職員が管理する書庫・歴史を感じるインテリア・読書に更け込む来館者の様子を撮影。

「あなたが好きなものを教えてほしい。」

ハルデン刑務所

場所 ノルウェー、ハルデン
設計 ハンス・ヘンリック・ホイルン
監督 マイケル・マドセン

受刑者に対し世界一人道的で甘やかしているとも言われる刑務所。

充実の設備で厳しい懲罰よりも更生し社会復帰することを目的としている。

社会福祉や人権が進んでいるノルウェーという国の考え方を表す見本のようなもの。

食事・運動・仕事から独房の様子まで塀の中で営まれる受刑者と看守の日常を撮影。

「恐ろしい犯罪を犯した受刑者にも多くの良い面がある。」

ソーク研究所

場所 アメリカ、カリフォルニア
設計 ルイス・イザドア・カーン
監督 ロバート・レッドフォード

ポリオワクチンを開発した医学者ジョナス・ソークにより創設された生物医学の研究所。

各研究分野の先端を走る教授陣が集まり研究論文の引用度は世界で首位を争う。

鋭角が多用された幾何学的デザインが発するダイナミックな力強さ。

自然と科学への理念を表現したデザインが生まれるまでの歴史に焦点を当て撮影。

「カーンは生物学に詳しくなりソークは建築に詳しくなった。」

オスロ・オペラハウス

場所 ノルウェー、オスロ
設計 スノヘッタ
監督 マルグレート・オリン

ノルウェーの首都に位置しオペラやバレエの舞台となるオペラハウス。

内部と外部の空間的な仕切りが曖昧で内側と外側を平等に重要視しているユニークさ。

ノルウェーの社会民主主義の真価である平等の精神が建物に反映されている。

バレエリーナやオペラ歌手の練習風景や緊張感あふれる公演の様子を撮影。

「家である私にできるお返しはあなたをいつまでも覚えておくこと。」

ポンピドゥー・センター

場所 フランス、パリ
設計 レンゾ・ピアノ/リチャード・ロジャース
監督 カリム・アイノズ

パリ中心部に位置し様々な形態の芸術表現の拠点となる総合文化施設。

ギャラリー・図書館・映画館・劇場など訪れる人々に刺激を与える文化的実験の場。

現代美術への旅に出る旅行者の興奮したエネルギーで満ちた空港のようなメインホール。

来館者で賑わう館内・静まり返る休館日・作品搬出の様子を撮影。

「彼らが作品を見るように私は彼らを見ている。」

関連動画

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