パウロ・メンデス・ダ・ローシャ展
展覧会の内容
ブラジルの建築家『パウロ・メンデス・ダ・ローシャ展』へ行ってきました。
活動拠点のサンパウロを中心とした14のプロジェクトを図面・模型・映像と共に紹介します。
港湾や運河の建設をしていた父の影響で幼い頃から建築家の道を目指したホシャ。
コンクリート・スチール・ガラスをはじめとした素材の魅力を最大限引き出すデザインを武器に活躍。
2006年にはプリツカー賞を受賞し2016年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。
建築家は自分のために設計するのではなく、社会のために設計する。
だから社会に対する責任がある。
社会の欲求はきわめて複雑であり、必然的にその複雑さ全体に向け、同時に取り組まなければならない。
建築の魅力はあらかじめ定められたルールがないところ。
建築は人間の想像力に従うものだから、建築家であるには、極めて自由でなくてはならない。
可能性を限定しない創造性と真摯な取り組みに裏付けされた建築家としての社会に対する責任感。
リオデジャネイロを拠点としたニーマイヤーに次いでブラジル建築の魅力を再発見する展覧会でした。
気になったプロジェクト
大阪万博ブラジル館:Pavilhão do Brasil na Expo'70 em Osaka
場所 | 日本 |
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1970年に大阪で開催された日本万国博覧会で建設されたパビリオン。
起伏のあるアスファルトの床に4点で支えられた32.4×49.6メートルの大屋根。
屋根に並ぶ正方形の天窓から差し込む自然採光が訪問者を地下の展示室へと誘います。
ブラジルならではのオープンで大らかな気質が表れたパビリオンです。
ジャラグワー・ビル:Edifício Jaraguá
場所 | ブラジル |
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サンパウロ市西部地区にある谷底が形成する斜面に建てられた住宅。
1フロアーに220平方メートルの住戸が1つずつ合計8戸を有するマンション。
ガラス張りのファサードからはチエテ川とピニエイロス川の渓谷やシャラグワー山が見渡せます。
広々とした間取りと計算された室内の段差が豊かな生活をデザインする住宅です。
ブラジル彫刻美術館:Museu Brasileiro da Escultura
場所 | ブラジル |
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サンパウロ市のショッピングストリートの一角に建つ彫刻とエコロジーがテーマの美術館。
三角形の大きな水盤と地上に突出した12×60メートルのプレストレスト・コンクリートの横材が目印。
展示室・オーディトリアム・教室・オフィスなどのメイン施設は地下に設けられています。
周辺の緑や庭園に溶け込むことで自然環境の一部となり沈黙を楽しんでいる美術館です。
パウロ・メンデス・ダ・ホシャ邸:Casa Mendes da Rocha
場所 | ブラジル |
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サンパウロ市西部地区の住宅街にあるパウロ・メンデス・ダ・ホシャの邸宅。
鉄筋コンクリートの住居部分を4本の支柱で中空に浮かせることで地階を遊び場として開放。
木のフローリングの室内を鉄筋モルタル造の壁が間仕切ります。
シンプルな素材の魅力をそのまま生かした邸宅です。