期間 | 2016年1月28日(木)から2016年3月20日(日) |
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場所 | 東京都港区南青山1-24-3[地図] |
交通 | 東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩1分 |
詳細 | TOTOギャラリー・間HP |
岸和郎:京都に還る
「岸和郎:京都に還る」の内容
日本的な美の継承とモダニズムのバランスを取る建築家「岸和郎:京都に還る」へ行ってきました。
建築家や教育者としてのパラレルな活動の軌跡を模型・ドローイング・映像と共に紹介します。
京都の3つの大学で教鞭を執りながら建築家としての設計実務を同時進行してきた岸氏。
日本的であることが求められる京都で培われた伝統と現代をミックスした独自のスタイルを有します。
和紙に描かれた優しい色合いのドローイングから見える丁寧な仕事ぶり。
テクノロジー技術を用いたプロジェクト模型から見える新しいものを積極的に取り入れるマインド。
イタリア・フランス・アジアの建築旅行写真から見える美しさを切り取る感性の豊かさ。
関わりの深い大学教授や教え子たちの協力で作り上げられた展示から見える周りに感謝する心。
作品のキャプションはあえて書かず心で感じることに重きを置いた展示構成。
現代建築家岸和郎氏を作り上げた様々な要素がシンプルにまとめられた展覧会でした。
「岸和郎:京都に還る」の展示風景
大学でのプロジェクトを中心とした3階の展示室。
【京都】京都芸術短期大学高原校舎
アクリル板に描かれた図面の影が浮かび上がるユニークな表現は学生たちが考えたもの。
【大阪】日本橋の家
【大阪】堺の家の図面とドローイング。
【和歌山】和歌山の家のドローイング。
城戸崎和佐氏デザインのベンチ。
3Dプリンタやエッチングなど様々な技術を用いた京都周辺のプロジェクト模型が並ぶ中庭。
【京都】中京の家/建物がエッチングで浮かび上がるガラスの模型。
【京都】京都大学北部グラウンド運動部部室棟/アルミを削り出して作られた模型。
グリッド上に置かれた白いタイルで京都の洛中を表現しています。
東京の遠景のパノラマ写真。
最近のプロジェクトがテーマの4階の展示室。
【西日本】Hu-tong Houseのドローイング
【名古屋】K邸別棟
【京都】京都市美術館新館計画案
図面上でスクリーンを動かすとセンサーが反応し3次元の図面を見ることができるデスクラマという装置。
岸氏が撮影したイタリア・フランス・アジアの建築旅行写真のネガポジ。
森山茜氏のテキスタイルウォール越しに35mmスライドの美しい思い出が広がっていました。
「岸和郎:京都に還る」の講演会
【日程】2016年1月29日(金)
【タイトル】京都に還る_home away from home
【講演者】岸和郎
岸和郎氏の講演会に参加しました。
今回の展覧会や建築への取り組みについての話を簡単にまとめます。
展覧会のコンセプトについて
ふるさとの横浜から遠く離れた第2のふるさとである京都を中心に40年以上活動してきた。
1993年に日本建築家協会新人賞を受賞した日本橋の家プロジェクトがきっかけ。
ヨーロッパから流れてきたもの全てをレイヤーしている極東の国日本。
中国の長安を模し東大寺や正倉院などの近世から近代の名建築を有する京都を原点に立ち還ろうと考えた。
自身の設計スタイルについて
その土地の伝統・技術・材料をベースに現代の技術・材料をミックスした設計を行う現代建築家。
京都のプロジェクトでは厳しい景観規制の中でいかに新たな現代建築を作るかということを学んだ。
海外のプロジェクトでは日本と異なるバックグラウンドから生まれた価値観の違いを楽しむことを学んだ。
管理人が好きな深谷の家について
アメリカの建築家ピエール・コーニッグ風の住宅を設計してほしいとの依頼を受けた。
大きなプールのある中庭を中心としたオープンな住宅。
施主が好きなジャズを聴きプールを眺めながら日中の疲れを癒すための場所。
どこまでが柱でどこまでが柵なのか分からない面白さのあるデザイン。
十字型断面と無垢の柱を開発するなど日本の高い技術や施行レベルに助けられた。
「岸和郎:京都に還る」の関連動画
岸和郎による展覧会ガイド
岸和郎自著を語る
「岸和郎:京都に還る」の関連書籍
世界建築巡りについて
世界建築巡りは、インフォメーションアーキテクトの山田育栄が訪れた世界の建築やプロジェクトなどの情報を紹介するサイトです。
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一人でも多くの人に世界へ足を運んでほしい。
建築に触れると同時に、人との出会いや自己の発見といったかけがえのない機会に遭遇するでしょう。
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