期間 | 2016年10月15日(土)から2016年12月11日(日) |
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場所 | 東京都港区南青山1-24-3[地図] |
交通 | 東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩1分 |
詳細 | TOTOギャラリー・間HP |
トラフ展:インサイド・アウト
「トラフ展:インサイド・アウト」の内容
建築からインテリアや家具まで幅広く手掛ける建築家「トラフ展:インサイド・アウト」へ行ってきました。
これまで手掛けてきたプロジェクトと共に創る過程で生み出された思考の断片を並べて紹介します。
与えられた条件を受け入れる素直さ。
どこまでも積極的に取り組む好奇心。
試行錯誤の積み重ねから育まれた想像力。
「都市>建築>インテリア>家具>モノ」といったヒエラルキーに捉われないアプローチ方法。
あらゆるものに新しい価値を見い出す魅力に溢れた一流のクリエイターユニット。
自分たちが日頃見るモノへの意識や視点を変えるきっかけとなる展覧会でした。
「トラフ展:インサイド・アウト」の展示風景
大きな四角のテーブルに沢山のモノが並べられた3階の展示室。
トラフの頭の中をさらけ出す「インサイド・アウト(裏返し)」がテーマ。
風景のようなトラフのクリエイションの世界を長いレールが繋ぎます。
テーブルの上の様々なモノを時系列に紡ぎながら走る姿が微笑ましい「緑のトラフ号」
長期滞在者向けの客室「テンプレート・イン・クラスカ」
モノを特定することから作業を始めてモノの並びから壁面の開口を検討。
モノをフラットに収納することで自分の部屋のように寛いで使うことができます。
アッシュコンセプトから販売予定の鏡「サンフラワー・ミラー」
自分の好きなボトルに一輪挿しに花を挿すようにして使えるミラー。
単純だけど思いつかなかった発想です。
犬のための建築で出展したシンプルなフレームを組み立てた作品「ワンモック」
コピーライターの糸井重里氏の愛犬が飼い主の洋服の上に座る写真から着想。
誰でも簡単に作ることができる手軽さと楽しさがSNSを通して世界に広まりました。
ユニークなドーナツ型のサッカーコート「WORLD CUP」
見慣れたサッカーコートの白線を編集し新しいコミュニケーションの場を創造。
白線の力で人を誘導し新しい遊び方が生まれる楽しさを発見しました。
住居棟とテニスコートが隣接する週末住宅「Big T」
農業用倉庫の外郭で大きな空間を確保し個室群を入れ子状に配置。
開放感溢れる半屋外の空間が遊ぶように住まうことを手助けしています。
2人が共有する時間を感じ取ることのできる結婚指輪「gold wedding ring」
観光客に触られ続けてメッキが剥げたドアノブから着想。
時間の経過と共にシルバーでコーティングされたゴールドリングの地肌が見えてきます。
空間化した家具の代表とも言えるデスク「コロロデスク」
書斎を持てないお父さんや子供部屋を持てない子供に最適。
顔を突っ込むことで自分だけの部屋を手に入れたかのような感覚に陥ります。
ミラノ・サローネ2011に出展したキャノンと東芝のインスタレーション「光の織機」
プロジェクターから放射状に放たれる光を無数の水糸で受け光を疑似的に実体化。
光の中に入り込み映像を浴びるように見るという新しい体験を演出しました。
どうぞ座ってくださいという意味を持つベンチ「DOZO BENCH」
軒先に並ぶ小さなベンチが街の風景を変えていくように人を受け入れる。
近所や通行人との接点を生むきっかけとなるコミュニケーションツールです。
カラフルな「AAスツール」の検討過程で製作したキューブ状の塗装サンプル「mizucolor」
デザイナーのカルヴィン・ホー氏と協働で様々な色を選別。
木肌を活かした優しいアースカラーが揃っています。
どんな部屋にも必ずあるコーナーに着目したシェルフ「キャッチボウル」
1つの半球をケーキのように4分の1と4分の3に切り分ける。
壁の入隅と出隅に取り付けることで新たな敷地を生み出します。
空気を包み込むように形を自在に変えられる「空気の器」
一つ一つを半日かけて手切りでスタディした試作品に番号を振り展示。
同心円状に0.9ミリ間隔の切り込みを入れて完成させるまでの検討過程を追うことができます。
1本の製材の両端を斜めにカットして組み合わせることで1脚ができる「AAスツール」
小さなスペースでは単体として使えて複数スタッキングするとベンチにもなる。
普通のスツールに止まらない汎用性の高さを見せつけられます。
設立時から13年間使用し毎年ネジを緩めながら増やしている「事務所のカレンダー」
グラフィックデザイナーの葛西薫氏による洗練されたデザイン。
沢山の予定が書き込めるカレンダーは管理人も毎年愛用している究極の一品です。
グリーンをトータルプロデュースするSOLSOによる異形の植物たちが展示に花を添えます。
テーブルの下ではトラフの活動が放映されています。
室内展示室から続くテーブルを侵食するように加工することで各所に領域を生み出した中庭。
「AAスツール」や「FISH BOAD」など石巻工房の代表作が並びます。
プリーツ加工したシートに生まれるモアレが柔らかい境界を作り出す「青い養生シートのカーテン」
風を受けて揺らぐ防虫ネットが空気を可視化する「中庭の軽やかな屋根」
ブリッジ先端の手摺に取り付けことでちょっとした場所を拡張する「スカイデッキ」
3階の展示室を走るトラフ号からの主観映像を放映する4階の展示室。
家具デザイナーの藤森泰司氏とデザインした「段々ベンチ」に座って鑑賞。
トラフのナレーションや可愛らしい音楽と共に違う視点から展示を楽しめました。
新作を含めた900個の「空気の器」が飾られた1階のショールーム。
白い内装やTOTO製品を背景にシャボン玉のように浮かび繊細な美しさに溢れてました。
「トラフ展:インサイド・アウト」の関連動画
予告編「トラフ展:インサイド・アウト」
トラフ建築設計事務所による展覧会ガイド
トラフ建築設計事務所講演会「インサイド・アウト」
Light Loom:Canon Milano Salone 2011
「トラフ展:インサイド・アウト」の関連書籍
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