かもしれない日本~縮小時代の建築・都市のゆくえ~
会期 | 2015年5月12日(火)~ 2015年5月31日(日) |
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製作 | 花本昭平|太田圭亮|安田大顕|安福和弘|兵郷喬哉|吉川智美|池川健太|万徳友里香 |
会場 | 代々木VILLAGE |
住所 | 東京都渋谷区代々木1-28-9[地図] |
アクセス | 代々木駅 徒歩2分 |
公式サイト | なし |
展覧会の内容
建築・都市の見方をテーマにした『かもしれない日本~縮小時代の建築・都市のゆくえ~』へ行ってきました。
未来のあるかもしれない建築像・都市像が描かれた絵・模型が展示されます。
人口減少と少子高齢化が進み公共インフラの余剰や空き家の増加も問題となっている日本。
様々な課題を抱えるこの国で今後発展する都市は存在しうるのか。
大和総研の経営コンサルタントと東京大学の建築・デザイン学生を中心とした共同研究。
現実問題を知った上で自分たちの未来を良くするためにできることは何なのか。
建築という存在を通して日本のあり方・都市のあり方への提案を真剣に考える。
時代の変化に合わせていかに自らの環境を変えていけるかが問われる展示会でした。
展示風景
人口減少・少子高齢化・核家族の増加などの人口動態を受けて国は縮小都市政策に取り組んでいる。
しかし経営状態の悪い複合施設等も存在しコンパクトシティ運営の困難さがうかがえる。
空き家の増加・コミュニケーションの多様化・自治体の財政難・消費構造の変化といった既存の問題。
それに加えて高速道路の余剰・水道施設の集約など将来の課題を抱えている。
縮小時代だからこそ描ける都市を環境・住まい方・交通・エンタメのカテゴリ別に9つ紹介します。
環境:くり抜かれる建築と重なる風景
超高層ビルが立ち並び視界の抜けが無い東京のビルに空きスペースをくり抜き緑化する。
緑豊かな景観を取り戻すと同時にヒートアイランド現象の緩和に一役買う。
環境:生態系の家
埋立地の緑地化など世界ではグリーンインフラの動きが高まっている。
空き家に小さな家を沢山入れることで植物と人間を育てる1つの生態系空間を作り出す。
住まい方:大きな家具の家
家具メーカーと住宅メーカーのコラボレーションにより家具の固定概念を覆す。
引き伸ばされた家具が屋内と屋外をつなぎコミュニケーションを誘発させる存在となる。
住まい方:時間貸しの家
若者をメインにモノやサービスのシェアビジネスが加速する現代。
家具や文具など全てのものを賃貸として貸し出しノマドワーカーやベンチャー起業家が集う場を作る。
交通:空飛ぶ車の街
先端技術として実現が見込まれる空飛ぶ車。
陸上用自動車を減らすことで安全な歩行者道路や渋滞問題の緩和を実現する。
交通:川で通う街
人口減少に伴う水道施設の集約により役割を失いつつある川。
首都圏のインフラに船を加えることで通勤ラッシュの軽減や観光資源の強化につなげる。
エンタメ:サーキット化する高速道路
都市内で今後不要となっていっていく高速道路を公道レースに利用。
レースの聖地として知名度を向上し外国人観光客誘致による経済活性化を促進する。
エンタメ:旅する作家の仮住まい
クリエイティブな国と海外から評価されている日本の可能性をより拡大したい。
住まいとなる箱をトラックで移動し地方を旅しながら面白い作品を生み出せるシステムを作る。
エンタメ:時間で動く建築
大型商業施設の一人勝ちや店主の高齢化などの理由で増える一方のシャッター商店街。
営業時間の異なる店舗を巨大な連結ビル群にミックスさせることで人の流れを生み賑わいを取り戻す。