期間 | 2015年5月から順次公開 |
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監督 | 石山友美 |
出演 | 安藤忠雄|磯崎新|伊東豊雄|レム・コールハース|ピーター・アイゼンマン|チャールズ・ジェンクス|中村敏男|二川由夫|藤賢一|生田博隆 |
詳細 | だれも知らない建築のはなしHP |
だれも知らない建築のはなし
「だれも知らない建築のはなし」の内容
資本主義社会に生きる建築家たちの思いが語られた「だれも知らない建築のはなし」を見に行ってきました。
国内外の建築家が見た日本という国の印象・日本が置かれている危機的状況・建築界全体への問題提議。
建築を生み出す一方で社会に貢献しているという満足感が得られず焦燥感を感じている共通の苦悩など。
建築はその国が置かれてる政治・経済などの体制や問題がそのまま露呈するものであると改めて痛感します。
建築関係者でない人たちにも是非見て欲しい日本の未来について考えさせられる映画でした。
「だれも知らない建築のはなし」のピックアップ
第一線で活躍する建築関係者たちが日本という国や建築界について思うことを簡単にまとめます。
自分が出来ることを地道に進めるのみ
【建築家】安藤忠雄
日本の国の構造は大工をはじめ建築に関わるスペシャリストたちへのリスペクトが足りていない。
自分の建築においては世論を味方に付け学術的評価を無視したスタイルを貫いていきたい。
建築家としての情熱を保ちにくい現実社会
【建築家】磯崎新
1970年代以降から現代にかけて大きなプロジェクトは大手建設会社がさらっていくシステムになっている。
政治戦略やコンピュータが建築を生む時代において建築家の存在意義とは何なのか問いただしている。
本気でやるからこそ直面する無力感との戦い
【建築家】伊東豊雄
東日本大震災復興プロジェクトを通してあらゆるものが国の力でコントロールされていることを思い知った。
時代遅れの価値観やつまらない批判を抜かした建築を作り社会の中での建築家になりたい。
繊細で奥ゆかしい日本人の長所と短所
【建築家】レム・コールハース
日本人は自分の作品についての説明が上手ではなくコミュニケーション力も不足している。
しかし東京を訪れた際には規則正しく機能的な日本の建築に影響を受けた。
時代の変化にいまだ対応できない日本
【建築家】ピーター・アイゼンマン
バブル崩壊後日本の世界的地位はとっくに変わってしまったにも関わらずまだバブルの中にいるような印象。
国外での人脈を積極的に開拓してきた磯崎氏に続くようなリーダーがいないことも問題だと思う。
良い建築と共にゴミも沢山生産している国
【建築理論家】チャールズ・ジェンクス
メタボリズムやバブル期においてドラッグを打ちまくりアドレナリンを出し続けるように建築を建てた日本。
多様性を容認・肯定するという多元主義こそが日本人の文化なのだろう。
素晴らしい建築作品を世界中に広めたい
【a+u元編集長】中村敏男
海外の記事の転載ではなく自分たちが実際に取材した建築雑誌を作りたいという思いで始めたa+u。
GAと同じく国際的に評価される建築専門誌となった。
建築家を育てる教育とサポート体制の不足
【A.D.A.EDITA Tokyo代表・GAシリーズ編集長】二川由夫
建築家を養成する環境やシステムが不足しコミュニティーデザインやWebビジュアルで勝負する現代の風潮。
このような状況下では歴史に残るような建築は生まれてこないのではと危惧している。
国内市場の縮小に対する警鐘
【福岡地所特別顧問】藤賢一
日本の大型商業施設はどれも似たようなものばかりで面白くない。
つまらないと皆口を揃えて言っているが改善しない。
何をするかより誰とするか
【熊本県土木部建築住宅局長】生田博隆
建築文化の向上を主な目的として1988年にスタートしたプロジェクトくまもとアートポリスについて。
良い建築家を選ぶという人選を徹底することで若手建築家に公共建築に携わる機会を与えている。
「だれも知らない建築のはなし」の関連動画
世界建築巡りについて
世界建築巡りは、インフォメーションアーキテクトの山田育栄が訪れた世界の建築やプロジェクトなどの情報を紹介するサイトです。
建築学生や建築関係者はもちろん、国内外へ旅行する方などにも見ていただきたいと思っています。
一人でも多くの人に世界へ足を運んでほしい。
建築に触れると同時に、人との出会いや自己の発見といったかけがえのない機会に遭遇するでしょう。
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