スミルハン・ラディック展 BESTIARY:寓話集

会期 | 2016年7月8日(金)~ 2016年9月10日(土) |
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会場 | TOTOギャラリー・間 |
住所 | 東京都港区南青山1-24-3[地図] |
アクセス | 乃木坂駅 徒歩1分 |
公式サイト | TOTOギャラリー・間 |
展覧会の内容
チリを拠点に独創的な活動を続ける建築家『スミルハン・ラディック展 BESTIARY:寓話集』へ行ってきました。
空想上の生き物に見立てた模型やスケッチと共にラディック氏が考える現代の寓話集を紹介します。
よく描けた挿画には、描き手の脳裏をかすめた確信らしきものが、必ず現れているように思う。
どんな方法で描かれていようと、ドローイングであれ、模型であれ、写真であれ。
その絵は周囲に啓蒙的な影響を与える。
描くことで人を啓蒙し、全くの無の状態から虚構を構築する。
よく描けた挿画には、必ずその対象物の記憶が充満しているものだ。
これといった根拠も無く用途も想定されていない模型から実際のプロジェクトに用いられた模型まで。
建築界のマジシャンが作り出す不思議な世界観に酔いしれる展覧会でした。
展示風景

模型が一直線に並べられた3階の展示室。

【2015】NAVE:パフォーミング・アーツ・ホール/Nave:Performing Arts Hall

モダンでシックな下階層と色鮮やかな黄色いサーカスのテントを持つ屋上との対比が印象的です。

【2014】チリ・プレコロンビア芸術博物館の拡張/Chilean Museum of Pre-Colombia Art Extentions

1807年に建設された建物に450平方メートルの拡張工事を行い展示室・倉庫・研究施設を設けました。

【2015】木の家/House of Wood

高床式住居を支える複数の細い木が繊細な美しさを醸し出しています。

【2010】フラジャイル/Fragile

ワイングラスを縦に積み上げるという脆くて儚い行為。

【2009】ミーティング・ポイント/Meeting Point

太陽光発電で作られる電力で膨張するバルーンの屋根の下に軽やかな空間が出現します。

【2015】ランプの塔/Tower Light Bulbs

キャンドルスタンドに差し込まれた電球を接点にバランスを取る楽器の部品から緊張感が伝わってきます。

【2011】卵に隠れた少年/The Boy Hidden in an Egg

巨大な蚕の繭のような卵型の物体から可愛らしい足が覗きます。

【2011】グアダラハラ環境科学博物館計画案/Environmental Science Museum Guadalajara Project

水分をたっぷり含んだ雲のような屋根が建物を覆います。

【2014-】ルッソ・パーク・プロジェクト/Russo Park Project

広大な敷地を持つ公園のランドスケープデザイン。

建物の配色や光の入り具合の検討過程と思われるスケッチ。

木製パネルでできた敷地全体の模型。

イベントホール部分の巨大な模型。

屋根を支える柱・梁・壁の既存イメージをデザインの力で新鮮なものに変えました。

【2014】マイ・ファースト・タワー/My First Tower

人間より巨大な人形を見上げる気分とは?

【2010】魚に隠れた少年/The Boy Hidden in a Fish

第12回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展に出展された花崗岩を大胆にくり抜いた作品。

【2007】ルーム/Room

内部のプライバシーを程良く守る木のルーバーで覆われた家。

ありふれたサーカステント/Ordinary Circus Tent

スケッチ・模型・映像が点々と置かれた4階の展示室。

【2011】ビオビオ市民劇場/Bio Bio Regional Theatre

多様な活動にフレキシブルに対応できるシンプルで禁欲的なデザインに仕上がりました。

【2014】サンティアゴ・アンテナ・タワー/Santiago Antenna Tower Project

140メートルの高さのアンテナを11個のリングが軽やかに囲む通信塔です。

【2012】直角の詩に捧ぐ家/House for the Poem of the Right Angle

四方八方にユニークな開口部を持つ森の中のセカンドハウス。

天候や季節の移り変わりを最高に楽しむことのできる視界を提供します。

【2015-】シー・ハウス/SHE House

蚊帳のような暖簾に包まれて外の景色を眺めながら一休みする心地良さとは?

【2015】家での死/Death at Home

プライベートな空間で迎える人生最後の瞬間とは?

【2010】わがままな大男の城/The Selfish Giant’s Castle

詩人オスカー・ワイルドの作品に出てくる周囲から孤立し荒んでいく大男の家。

【2014】サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオン/Serpentine Gallery Pavilion 2014

内部の照明でほのかにライトアップした姿が見る人を妖艶に惹き付けるパヴィリオン。

度重なるスタディから半透明の皮膜に覆われた繊細なシェル構造が生まれました。

スケッチブック/Sketch Book

「寓話集と題した本展は、私の作品に現れたこうした確信の瞬間の寄せ集めである。」