リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」
展覧会の内容
2013年のヴェネチア・ビエンナーレで脚光を浴びアジアのアートシーンを牽引する注目のアーティスト『リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」』へ行ってきました。
その場所の空気や観る者の感情にそっと寄り添うサイトスペシフィックな作品たちを紹介します。
香港で生まれ台北を拠点に活動するリー・キット。
初期は布に絵具で格子柄などを描いた絵画シリーズで絵画の概念を広げる革新的な作品群を制作。
近年は絵画やドローイング・プロジェクターの光や映像・家具や日用品などを使用。
展示空間全体を淡い色調の絵画のように仕上げたインスタレーションに力を入れています。
遠い昔の記憶の残像のような作品にポツリポツリと零れ落ちる言葉。
繊細でセンチメンタルな感情を解放し向き合うことのできる空間に心癒される展覧会でした。
展示風景
「We used to be more sensitive.」
余白を活かした展示室。
少しずつ近付いて覗き込んでしまうのがキット氏の作品の特徴。
鑑賞者の影も作品の一部に。
「花か枝かの選択」
作品の正面から強い光を照らしています。
「Next time when you go home,」
「she will tell you to let go.」
「気を付けて剃れ」
心落ち着く青い展示室。
もの物憂げな雰囲気が漂う足元。
アクリルボックスの中からライトを当てた作品。
板の向こう側にもう1つの空間が存在するかのよう。
偶然虹色の写真が撮れました。
「人生を編集しよう。編集された人生を自分に信じ込ませるんだ。もっと細部まで編集しよう。人生は素晴らしい。」
日の当たる板の上をなぞる指。
「大抵の場合、僕は何を見ているのか分からない。」
「Hello」
光が当たることでリアル感が増します。
「Full of joy」
「僕が助けるから、」
「君は僕を支えて。」
「僕らは殺し合っている。」
自然光のような淡い空間の展示室。
壁の中に木陰が揺らぐ窓が作られました。
「Hello,」
「Hey,」
「I am sorry,」
「but I am happy.」