レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校

レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校_1
会期 2019年2月23日(土)~ 2019年3月8日(金)
会場 L'ÉCOLE
住所 東京都港区北青山1-7-15[地図
アクセス 信濃町駅 徒歩5分
公式サイト L'ÉCOLE

展覧会の内容

ヴァン クリーフ&アーペルが支援する宝飾芸術学校レコール(L’Ecole)の展覧会『レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校』へ行ってきました。

3つの展示を通してジュエリーと宝飾芸術が持つ様々な魅力を掘り下げます。

1906年にパリのヴァンドーム広場22番地に創立されたハイジュエリーメゾンのヴァン クリーフ&アーペル。

フェミニンでエレガントなデザインのジュエリー・時計・香水などを制作&販売しています。

世界中の人々へジュエリー文化を継承することを目的として2012年に創設されたレコール(L’Ecole)

学生が自由にカリキュラムを組むことができる独創的な教育プログラムが特徴です。

レコールのスピリットをシェアしながらみんなで学べる空間を作りたい。

建築家の藤本壮介氏が内装のデザインに込めた思い。

気取らずリラックスできる空間の中で詩的な魅力を持つ作品たちが鑑賞者の感情を揺らします。

 

本物に触れることで生まれる「知りたい」「学びたい」という純粋な好奇心が一番大切。

学ぶ意欲さえあればトライ&エラーを積み重ねることで専門知識やスキルは後から付いてきます。

 

良いものを作るには良い環境に身を置き良いものに沢山触れること。

好奇心の灯を守り温かく迎え入れる教育方法と繊細で尊い手仕事の美しさに感動する展覧会でした。

展示風景

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宝石商・ジュエリーデザイナー・ジュエリーコレクターにスポットを当てた3つの展示。

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ジュエリー書籍を読みながら寛げる内装は 株式会社藤本壮介建築設計事務所 のデザイン。

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3次元に削り出された木材家具は 株式会社シェルター の制作。

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天井を覆うファブリックは 安東陽子デザイン が手掛けています。

タヴェルニエのダイヤモンドを巡る冒険:ムガル帝国から太陽王へ

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フランス出身の宝石商・商人・探検家のジャン=バティスト・ダヴェルニエ。

世界を飛び周り開拓した交易ネットワークを通じて天然石・メダル・美術工芸品・絹などを取引。

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1676年には旅行記「ジャン=バティスト・ダヴェルニエの6つの旅~トルコ・ペルシャ・インド」を出版。

東洋と西洋の外交&貿易関係において最も注目に値する重要人物の1人でした。

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ダヴェルニエと同じく東洋各国との関係構築のために精力的に活動したフランス国王のルイ14世。

日本や中国の陶磁器・扇・綿・絹・七宝・漆などの品々がフランスにもたらされました。

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とりわけダイヤモンドをこよなく愛したルイ14世はダヴェルニエから1,000個以上のダイヤモンドを購入。

展覧会ではダヴェルニエから買い上げたダイヤモンドのうち最も美しい20石のレプリカを展示しています。

ハルミ・クロソフスカ・ド・ローラ:自然の痕跡

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ジュエリーブランド Harumi Klossowska de Rola 代表のハルミ・クロソフスカ・ド・ローラ氏がデザインしたジュエリー作品のエリア。

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詩的な世界に住む動植物をモチーフとしたジュエリーを展示しています。

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色鮮やかで繊細な体のパーツが魅力の「イトトンボのイヤリング」

素材 アンコール牛の角・ラピスラズリ・サファイア・K18イエローゴールド

ミステリアスな透明感と不透明感の戯れが神秘的な「コムラサキ蝶のイヤリング」

素材 アンコール牛の角・ダイヤモンド・ラピスラズリ・ブルーサファイア・アパタイト・コニャックダイヤモンド・黒檀・ルビー・ブラックダイヤモンド・K18イエローゴールド

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猿の頭蓋骨をネックレスで取り巻き考古学的発見の意味合いを持たせた「マーモセットのスカルペンダント」

素材 K18ホワイトゴールド・K18イエローゴールド・ダイヤモンド・オニキス・バッファローの角

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蛇の骨格のベルトバックルを着けていた父の思い出を辿った「イエローテイルスナッパーのブレスレット」

素材 K18イエローゴールド

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巧みに絡み合うヤドリギの枝を美しく体現した「ヤドリギの燭台」

素材 ゴールド加工した真鍮・ロッククリスタル

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エジプト神話に登場する破壊と復讐の女神セクメトを表現した「セクメト:破壊の女神」

素材 長椅子・ブロンズ・K24金箔・ラピスラズリ

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マヤ文明とインカ文明にインスピレーションを得た「パラム:悪魔」

素材 壁掛け燭台・K24イエローゴールド・ラピスラズリ

Through the Eyes of a Connoisseur:ある愛好家の目線

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アンティークジュエリーの輸入&販売を行う アルビオンアート株式会社 代表の有川一三氏が30年以上かけて収集したジュエリーコレクションのエリア。

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19世紀末から20世紀初頭のアール・ヌーヴォー期に制作されたジュエリーを展示しています。

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「夏のバラのペンダント」

素材 ゴールド・ガラス・オパール・エナメル・ダイヤモンド

制作者 ルネ・ラリック

成形ガラス技法を用いてバラを照らす夏の陽射しを表現したペンダント。

柔らかく官能的でふくよかに描き出された花たちが巧妙な配置で無造作に重なり合います。

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「海の妖精とオパールのモザイクペンダント」

素材 ゴールド・オパール・エナメル・ダイヤモンド

制作者 ジョルジュ・フーケ

オパールモザイク技法を用いて海・生き物・海藻を表現したペンダント。

日光の影響で様々な色合いが混ざり合い絶えず変わりゆく海を妖精が静かに眺めています。

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「ヴィーナスのペンダント」

素材 ゴールド・象牙・エナメル・パール

制作者 ジョルジュ・フーケ

ルネサンス期の画家サンドロ・ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」を彷彿させるペンダント。

赤いエナメルが施されたコーラルの背景を水のアーチが流れ落ち幾何学的な水溜まりを作り出します。

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「シルフィードのバタフライブローチ」

素材 ゴールド・エナメル・ダイヤモンド

制作者 ルネ・ラリック

半分が女性で半分が蝶という擬人化された生き物を表現したブローチ。

新しい世界に向かって飛び立とうとする女性が精緻な翼を携え力強い変身を遂げていきます。

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「花のリング」

素材 ゴールド・エナメル・ダイヤモンド

制作者 ルネ・ラリック

ツルを絡ませて這い上がる植物がダイヤモンドに寄り添う様を表現したリング。

大きく細長いオーバルダイヤモンドの周りをエナメルを施した葉が取り囲みます。

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「トンボのペンダント」

素材 ゴールド・ガラス・エナメル・ダイヤモンド

制作者 ルネ・ラリック

アクアマリンの湖上を飛ぶ2匹のトンボを表現したペンダント。

薄く繊細なトンボの羽の透明感と細かく震える動きを見事に捉えています。

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「蝉のブローチ」

素材 ゴールド・ダイヤモンド・サファイア・エナメル

制作者 ブシュロン

日本美術からインスピレーションを受け変貌と自然美の象徴を表現したブローチ。

グリーンからラベンダーへと変化する羽は優美な色合いを湛えています。

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「海藻とトンボのコサージュオーナメント」

素材 ゴールド・エナメル・アゲート・ダイヤモンド・ルビー・パール

制作者 ジョルジュ・フーケ

変身と錯覚という概念を巧みに表現したコサージュオーナメント。

絡み合う海藻または珍しい種類のトンボのように鑑賞者の目の前でイメージが移り変わります。

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「コサージュオーナメント」

素材 ゴールド・エナメル・バロックパール・ダイヤモンドなど

制作者 ジョルジュ・フーケ&アルフォンス・マリア・ミュシャ

フランス出身の舞台女優サラ・ベルナールを描いたとされるコサージュオーナメント。

デカダンス・シンボリズム・フェミニティーといった世紀末の雰囲気を完璧に捉えています。

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「コサージュオーナメント」

素材 ゴールド・アクアマリン・グリーントルマリン・エナメル・ダイヤモンド

制作者 ジョルジュ・フーケ

大きく羽を広げた蝶を思い起こさせるコサージュオーナメント。

ブルーとグリーンの組み合わせは当時前衛的で人目を惹く配色を意図したと考えられます。

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「コサージュオーナメント」

素材 プラチナ・オパール・ルビー・デマントイドガーネット・ダイヤモンド

制作者 アンリ・ヴェヴェール

新しい金属であるプラチナや新しい宝石のカットとセッティングを採用したコサージュオーナメント。

水平から垂直へとしなやかに変化する柔らかなシルエットは女性のファッションと調和します。

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