アルヴァ・アアルト もうひとつの自然

アルヴァ・アアルト もうひとつの自然_1
会期 2019年2月16日(土)~ 2019年4月14日(日)
会場 東京ステーションギャラリー
住所 東京都千代田区丸の内1-9-1[地図
アクセス 東京駅 徒歩0分
公式サイト 東京ステーションギャラリー

展覧会の内容

公共建築・個人住宅・インテリアなど幅広く手掛けたフィンランドの建築家アルヴァ・アアルトの展覧会『アルヴァ・アアルト もうひとつの自然』へ行ってきました。

周辺環境との親和性や空間と光の調和の中に「もう1つの自然」を感じるアアルトの作品を紹介します。

1898年にフィンランド西部の自治体Kuortane(クオルタネ)で測量技師の父と母の間に生まれたアアルト。

1916年から1921年にヘルシンキ工科大学で建築設計と建築写真の技法を習得。

在学中に両親の家を設計したりモダニズムの写真表現を身に付けるなど才能に磨きをかけていきました。

 

卒業後はスウェーデンの建築設計事務所に約1年勤務し1923年に建築設計事務所を開設。

1924年に建築家のアイノ・マルシオと結婚し新婚旅行でイタリアを初訪問。

イタリアの豊かな歴史・文化・芸術はアアルトの生涯を通して本質的な参照点であり続けました。

1956年に建設された ヴェネツィア・ビエンナーレ:フィンランド館 はイタリア初のアアルト建築。

軽量の木材ユニットを使用することで建築の解体・輸送・再現を容易にしています。

 

合理性と人間性のバランスが取れたアアルトデザインの源は自然。

どの花や果実も植物共通のパーツから成るにも関わらずそれぞれが個性的に存在する。

この法則を応用し生産効率が良く自由に組み合わせることができるオリジナルのパーツを制作。

1935年にアートとテクノロジーを融合した家具メーカー Artek(アルテック)を設立。

融通性のある規格化と再構築をテーマに工業生産化されたモダンな作品を日常生活に普及させました。

 

芸術と文化は日常の暮らしに気品を与える効果がある。

個人のニーズと大衆の需要を両立させるプロダクト開発力に学びを得る展覧会でした。

展示風景

気になったプロジェクト

パイミオのサナトリウム

竣工 1933年
場所 フィンランド・パイミオ(Paimio)

結核患者の治療フェーズに合わせて療養できる部屋が用意された複合施設。

新鮮な空気と適度な日光を取り入れる建物と清潔さを保つインテリアがトータルでデザインされました。

アアルトの花瓶

発表 1936年

1936年に行われたフィンランドのデザイン会社iittala(イッタラ)のデザインコンペで出品した作品。

流れるような有機的フォルムは アルヴァ・アアルト コレクション としてエイジレスな人気を保っています。

マイレア邸

竣工 1939年
場所 フィンランド・ノールマルック(Noormarkku)

ノールマルック郊外の松林の中に建つアアルトの友人 Harry Gullichsen と妻の Maire Gullichsen の住宅。

フィンランド産の木材がふんだんに使用された生活環境に夫妻のアートコレクションが彩を加えます。

ペンダントライト:A333

発表 1954年

スチールと真鍮を用いてラッカーで仕上げられたコンパクトな照明器具。

トップライトの外側または内側に自然光を増幅させる手法を用いることで上質な光を演出します。

セイナヨキのタウンホールと教会

竣工 1960年
場所 フィンランド・セイナヨキ(Seinäjoki)

青のタイルで覆われたタウンホールと白のレンガで覆われた教会。

高さ65メートルの十字型の鐘楼は街のランドマークとなっています。

フィンランディア・ホール

竣工 1971年
場所 フィンランド・ヘルシンキ(Helsinki)

独立国家の首都としての地位を反映しヘルシンキの心臓部となるコンサートホールと議会棟。

製図制作の段階で音響面を慎重に研究しユニークな扇形のコンサートホールが出来上がりました。

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