第8回 PLOT 設計のプロセス展

第8回 PLOT 設計のプロセス展_1
会期 2019年11月2日(土)~ 2020年2月2日(日)
会場 GAギャラリー
住所 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-12-14[地図
アクセス 北参道駅 徒歩2分
公式サイト GAギャラリー

展覧会の内容

18組の建築家・エンジニア・デザイナーの設計プロセスにフォーカスする『第8回 PLOT 設計のプロセス展』へ行ってきました。

模型やドローイングと共に18組の建築家・エンジニア・デザイナーによる多様な設計プロセスが楽しめる展示会でした。

気になったプロジェクト

白井屋ホテル(SHIROIYA HOTEL)

建築家 藤本壮介
場所 日本、群馬県

1688年に開業し2008年に廃業した白井屋旅館を改装した4フロアーのホテル。

内装のデザインに使用したタイル・マット・ドアノブ・施錠・ボルトなどを展示。

コメントが書き込まれたレンダリング写真と図面からは、宿泊客が使いやすい高さや幅の内装にこだわる様子がうかがえます。

各階の様子が見渡せる吹き抜けを中心に都市空間との一体化を大切にする建築です。

済寧市美術館とテラスのスタディ

ランドスケープ
デザイナー
山﨑誠子
場所 中国、山東省

なだらかに隆起する白い大屋根がかかったワンフロアーの美術館の植栽。

植栽のデザインに使用した植物図鑑・実際の葉っぱ・カラフルな水彩ペン・色鉛筆などを展示。

描いては消すを繰り返したドローイングと図面からは、植物の特性を考慮しながら慎重に選定する様子がうかがえます。

美術館の佇まいに呼応し都市と植物の緩やかな境界を作る植栽です。

Twins:いろいろな建築空間の資材のためのスタディ・色見本

テキスタイル
デザイナー
安東陽子

多くの建築家作品で提供されているテキスタイルの色見本。

2色または3色の異なる色同士を繋げた7枚の布を展示。

優しい色合いと上品な光沢という素材本来の個性に、柔らかな自然光や風の揺らぎを加えながら変化する布の感覚を確認する。

建築物の良さを引き立たせ布の可能性を広げるテキスタイルです。

寧波華茂国際教育図書館

建築家 伊東豊雄
場所 中国、浙江省

幅20メートルの運河を跨ぐ50メートル四方の図書館。

伊東豊雄建築設計事務所の特長でもある細部まで丁寧に作られた模型を展示。

様々な形状の躯体を並列した模型を制作し、最終的に大木のようなY字ストラクチャーを選択。

川に向かって窪んだレクチャーホールを中心に自然と一体化するかのような体験を生む建築です。

ケーブルカー

建築家 藤野高志
場所 日本

緑豊かな斜面に建つワンフロアーの細長い住宅。

有機的な入れ子構造の初期案・平面の長い床を持つ中期案・円弧状の長い床を持つ最終案の模型を展示。

写真家の施主の作品を飾るスペースを考えながら窓を設計するなど、美観や使い心地を念頭に試行錯誤した様子がうかがえます。

周囲の庭へと生活が広がることで豊かな自然環境に応える建築です。

関連コラム

年末ということで、GAギャラリー代表の二川由夫氏に、2019年に訪れた建築で一番印象に残ったものを聞いてみました!
大賞 カタール国立博物館(National Museum of Qatar)
設計 ジャン・ヌーヴェル(Jean Nouvel)
場所 カタール、ドーハ

カタールの過去・現在・未来に関する物語を没入型のあるスペースで展示する博物館。

乾燥した沿岸地域で発生する花のような鉱物結晶の集合体「砂漠のバラ」がコンセプト。

砂漠と自然が生み出した構造物は、遊牧民として生きてきた先人たちの歴史と伝統に呼応。

建物を構成する白い円盤が唯一無二の内観を作り上げています。

関連書籍

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