台湾建築巡り2018

【期間】2018年5月2日(水)から2018年5月4日(金)の2泊3日
【費用】航空代金&宿泊料(ご招待)+現地出費2万円=合計2万円
台湾の台北と宜蘭へ建築旅行に行ってきました。
今後台湾へ行く方の参考になるよう、訪れた建築の概要・街の様子・グルメ情報などをまとめています。
台湾建築巡り1日目


台北の地下鉄 台北MRT に乗車。

台北市中正区にある臺北駅に到着。

2階の日本食レストランでランチ。

今回ご招待いただいた台湾のイベント会社 Blue Dragon Art Company のスタッフとジャーナリストの方々と合流しバスに乗車。

台湾北東部に位置する宜蘭県に到着し人気建築家集団 フィールドオフィス・アーキテクツ のツアーがスタート!

クリエイターの育成とクリエイティブ産業の活性化を図る文化施設。
木材産業で起こった歴史を反映し耐候性鋼材やボルネオ鉄木などの工業的素材を使用しています。
大屋根下のフリースペースはリコーダーの練習やスポーツをして楽しむ子供達で賑わっていました。

ちなみに5月の台湾は完全に夏で炎天下では滝のように汗が出ます(笑)

ツアーの目玉であるフィールドオフィス・アーキテクツのオフィス訪問へ。

一軒屋を改装&増築した建物。

緑の垣根が暑さを和らげます。

你好(Ni hao)~♪

沢山の模型が積まれた部屋。

仕事に集中するスタッフ。

こちらは少し広めのお部屋。

窓から入る木漏れ日が良い感じです。

デザインに集中するスタッフ。

オフィスの中央部分。

スター・ウォーズに登場する機動歩兵ストーム・トルーパーに監視されながら2階へ。

ディスカッションをするCEOの杜德裕(Tu The-Yu)氏とスタッフ。

模型製作に集中するスタッフ。

涼しい風に誘われテラスへ。

豊かな自然からパワーをもらえる環境でフィールドオフィス・アーキテクツの建築は生まれています。

代表の黄聲遠(Huang Sheng-Yuan)氏が登場し続々と集まるスタッフとジャーナリストの方々。

スタッフにレクチャーする様子を撮影される黄氏。

長いインタビューに快く応じる黄氏。

せっかくの機会なので初インタビューに挑戦!
東京大学に2年留学していたスタッフの曾新福(Tseng Hsin-Fu)氏に通訳を手伝っていただきました。
プロジェクトに関することは既に下記レポートでまとめているのでそこに無い情報を聞こうかな・・・。

管理人「影響を受けた建築はありますか?」
黄氏「建築という物体ではなく建築を取り巻く環境や関係性を見ているので特にない。」
管理人「影響を受けた建築家はいますか?」
黄氏「人という物体ではなく建築を取り巻く環境や関係性を見ているので特にない。」
管理人「思い出の旅はありますか?」
黄氏「全部!どれかを選ぶことは出来ないし総体的な全ての経験が思い出。」
管理人「なぜフィールドオフィス・アーキテクツには若くて素晴らしい人材が集まってくるのですか?」
黄氏「それはスタッフに聞いた方が良いかな(笑)」
曾氏「自由な働き方ができるから。スタッフ同士がフラットな関係で自由に意見を交わし合える。お互いに干渉せずお互いを信頼している。」
管理人「日本で頑張る建築学生に一言ください!」
黄氏「人に答えを求めず自分の感覚を信じてとことんやろう!」

自由な生活があって自由な建築が生まれる。
そのことを物理的にも精神的にも体現しているフィールドオフィス・アーキテクツの皆さん。
知識と経験不足で気の利いた質問が出来なかったので次回に活かします(汗)
お忙しい中親切に対応いただき誠にありがとうございました!

清朝時代に活躍した宜蘭出身の政治家楊士芳の功績を称え教育活動を推進する施設。
土台となる墳丘は堆積岩でできた旧市街の姿を反映。
緑が素敵な公園で4箇所蚊に刺されたので暑い季節は注意しましょう(笑)

すぐ向かいの台湾電力ビル横の鄂王光小道もフィールドオフィス・アーキテクツのプロジェクト。

台湾電力の庭と小道を隔てていた高い壁を切り取りベンチを作りました。

歴史ある鄂王社区の木彫り地図。

清朝時代の寺院建設ラッシュに伴い職人さんが集まり住んだ場所。

通りの壁画は昼は生き生きと働き夜は楽しく歌い踊った歴史を描いているのでしょうか。

他のプロジェクトで余った予算を使い排水の悪い小道を整備。

住民1軒1軒と話し合いそれぞれの要望を聞いて周る。

住民の生活を壊さずに公共資源を私有地に引き込むことに成功しました。

全ての県民が幸せで楽しい生活が送れるようサポートする宜蘭県政府の施設。
不規則に並ぶ窓は家々の小窓のように見え周囲の景観に溶け込んでいます。
建物の間に引かれた地元住民の通り道がお堅い役所感を無いものにしていました。

宜蘭社会福祉センターと宜蘭川の河川敷を緩やかに繋ぐ橋。
最西部の展望台は川岸が近いことを知らせる洪水の見張り塔から着想を得たもの。
こんな秘密基地感のある歩道橋なら上るのも楽しいですね。

宜蘭川の河川敷に出ました。

美しい夕日にすっかり心奪われるツアーのみんな。

宜蘭川を横断する自動車専用道路の津梅橋に併設する遊歩道。
鋼材を格子状に組んだ溝蓋のグレーチング上に立つと川の流れをダイレクトに感じます。
歩道の下は川の流れがダイレクトに見えるので高所恐怖症の方は決して下を見ないようにしましょう(笑)

津梅橋遊歩道のウォーキングへ出発!

宜蘭川の上で日の移ろい楽しむ。

フィールドオフィス・アーキテクツの建築は今ある生態系と未来の世代のことを真剣に考えています。

夜の繁華街をぶーらぶら。

宿泊先のスタッフオススメの麺屋 大麵章 へ。

全てのテーブルが埋まっているので他のお客さんと相席することに。

頼んだ麺は薄味で具もほぼ無いため夕食を食べた気がしませんでした。


小ぢんまりとしたロビー。

人生初窓のない部屋で閉塞感を味わうなど。

バス・トイレ・洗面台が同じ空間にあるので入浴後は便器がビショビショになりました。
台湾建築巡り2日目

昨日と打って変わり肌寒い朝。

宿泊先近くのマクドナルドへ。

バンズがパサパサしていて口の中に引っ付いて食べにくかったです。

宜蘭中心部から北西の山奥へタクシーで30分ほど移動。

宜蘭北部の海抜750メートルの山上に建つ墓園。
石の納骨箱が故郷の街並みを眺められる最後の居場所としてデザインしました。
強烈な霧に覆われたお陰で天空の上にいるような写真が撮れました(笑)

昨日の強い日差しですっかり明るい茶髪になった管理人。

タクシー運転手の林さんと旅の手配をしてくれた王煜傑(Jack Wang)氏の2ショット。

宜蘭の自然を保護し歴史と文化を発信する博物館。
池に沈み込むような外観は傾斜した地層の差別侵食によりできた台湾東北部のケスタ地形を表現。
斬新なデザインを背景にセルフィーに励む若者の支持を集めていました。

博物館の東側に広がる大きな池と港を散歩しました。

タクシー運転手の林さんオススメの麺屋 礁渓鐘氏肉羹 へ。

こちらのお店はドリンクを提供しているということで一安心。

15時台と遅めの昼食だったので空いています。

頼んだ麺は味は悪くないですが薄味で何か物足りない感じでした。

宜蘭の文化・芸術活動を促進する場として旧台湾銀行の建物を改装した美術館。
既存の列柱空間はそのままに新しい展示空間の建設には自由度の高いアルミの構造体を使用。
広くて心地良い屋上のテラスでビアガーデンやBBQをしたらウケそうです。

交通量の多い旧道沿いを歩き宜蘭駅方面へ。

幅8~10メートル・長さ980メートルの歩道を中心とした宜蘭駅周辺の芸術文化地区。
宜蘭の歴史を知る旧台湾鉄道の施設や古木を保存。
人気絵本作家ジミー・リャオ氏の公園前は観光バスが立ち寄る撮影スポットとして賑わっていました。
台湾建築巡り3日目

少し早起きして宜蘭駅へ。

特急列車で臺北駅に向かいます。

車内の冷房が激寒で全然眠れませんでした。

臺北駅から乗車し目的地まで道案内してくれたタクシー運転手のおじさん。

時間に余裕があったのでスタバで朝食。

黄聲遠(Huang Sheng-Yuan)氏に偶然お会いしご一緒させてもらうことに。
管理人「昨日はどうもご迷惑をお掛けしました!建築の知識不足に加え英語が苦手で上手く話せず(汗)」
黄氏「大丈夫!僕も英語苦手だから(笑)」
管理人「昨日は櫻花陵園・宜蘭美術館・Diu Diu Dangを周りました!」
黄氏「写真良く撮れてるね!」
管理人「後でレポートにまとめてサイトにアップします!」
黄氏「あなたのサイトを見た日本の建築学生がうちに沢山来てくれるといいな♪」
世界建築巡りが国境を越えて新たな出会いを生むきっかけになればと思います!

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展台湾館のプレスカンファレンスの会場へ。

キュレーター・サポーター・審査員・スポンサーの皆さんがご挨拶。

【キュレーター】国立台湾美術館文化部:楊子葆氏

【キュレーター】国立台湾美術館館長:蕭宗煌氏

【キュレーター】国立台湾美術館建設部:呉欣修氏

【サポーター】イタリア経済貿易文化振興庁:蕭國君氏

【審査員】黄健敏氏

【スポンサー】ASUS:林宗梁氏

【サポーター】台湾現代建築学会:王俊雄氏

【キュレーター】フィールドオフィス・アーキテクツ:黄聲遠氏

2年に1度開催される建築界のオリンピックとの異名を持つ祭典ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展。
2018年はアイルランドの建築家イヴォンヌ・ファレルとシェリー・マクナマラが掲げる「Freesapce」がテーマ。
フィールドオフィス・アーキテクツが何年も前から体現しているスタイルと重なりキュレーターに選ばれたそう。
今年のヴェネチア・ビエンナーレを通して台湾建築の魅力がより多くの人に届きますように☆彡

今回ご招待いただいた台湾のイベント会社 Blue Dragon Art Company のオフィス訪問へ。

古い住居を改装した建物の1階ではショップとギャラリーを運営しています。

台湾でも人気の草間彌生のグッズコーナー。

台湾でも人気のいわさきちひろのグッズコーナー。

ショップ奥の吹き抜けの中庭へ。

赤レンガやアーチ型の窓など。

ノスタルジックな西洋風建築です。

奥のギャラリーでは管理人も大好きなジュエリーの展覧会が行われていました!

林佳靜氏の作品。

蔡文傑氏の作品。

地元の人々で賑わう商店街を散策へ。

色んな食べ物の香りが漂っています。

かつて茶屋兼住居として使用され台湾茶の歴史を伝える歴史的建造物。
清末から日本統治時代にかけて社会・文化・経済・貿易の中心地として栄えました。
実際にお茶を飲んだり茶葉や茶器の購入もできるので時間に余裕のある来館をオススメします。

旅の手配をしてくれた王煜傑(Jack Wang)氏オススメのカフェバー Le Zinc 洛 Café&Bar へ。

你好(Ni hao)~♪

ビールやワインの品ぞろえが豊富。

雰囲気が良いので近所にあれば頻繁に通いそうです(笑)

建築や仕事について色々とお話ししました。

楽しい滞在に後ろ髪を引かれつつ台北松山空港へ。


薄味の麺をすすりゴールデンウィークの建築旅行を締めくくりました。
まとめ

どこか懐かしく感じる部分がありつつも日本とはまた一味違う原風景が残る宜蘭。
自然との共存・時間の使い方・真の豊かさなど。
フィールドオフィス・アーキテクツの建築を通して自由とは何かを考えさせられる建築旅行でした。