サイゴン中央郵便局（Saigon Central Post Office）

サイゴン中央郵便局は、フランス領インドシナの郵便・通信施設として建設された郵便局です。
全体のプランは、フランス人建築家のオーギュスト・アンリ・ヴィルデュとアルフレッド・フルーが設計しました。
鉄骨構造は、エッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルが設計しました。
パリのオルセー美術館をモデルにしたデザインは、コロニアル様式と新古典主義建築様式が採用されています。
外観は、明るい黄色の壁、ドーリア式の円柱、アーチ型のドアと窓が特徴的です。
正面のファサードには、130年以上動き続けている巨大な時計が飾られています。
郵便局を縦に貫くアーチ型の屋根は、左右に並んだ柱によって支えられています。
フランスから輸入した鉄骨、テラコッタ、セラミックタイルなどの素材が使用されており、床はモザイクで飾られています。
入り口の付近には木製の電話ボックスがあり、その上部には建設当初に描かれた2枚のフレスコ画があります。
1枚目は1892年のサイゴンとその周辺、2枚目は1936年の南ベトナムとカンボジアの電信網が描かれています。
建物の中央には、38の木製のカウンターがあり、実際の郵便業務で使用されています。
フランス建築の優美さとアジア建築の芸術性が融合した建築です。